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2011年05月14日土曜日

作家・平岩弓枝さんの言葉

 「せりふ一つでも、人間がしっかりと書けていればその人らしいものになる。そうしたものの狂いがないかどうかを判断してきた。もう一つは、人間の多面性をどう書くか。いい人間にも欠点があり、悪い人間もある時には愛嬌(あいきょう)がある。人間、一重人格では生きられない。二重、三重のものを書くのが面白くもあり、難しい作業でもあるんです」。

 直木賞の選考委員を1987年7月から2010年1月まで23年間、46回にわたり務められた、平岩弓枝さん(1932年3月15日生まれ 1959年 『鏨師(たがねし)』で第41回直木賞受賞 1990年 『花影の花』で第25回吉川英治文学賞受賞 )の言葉です。
 5月14日付の東京新聞・夕刊の文化面「土曜訪問」で紹介されていました。

 直木賞選考で第一の基準に据えてきたのが「人間が書けているかどうか」だったとして、冒頭の言葉を述べられています。

 大ベテランの作家でも、ひとりの人間を理解し描くのに大変な努力をされ、苦労もされているということがわかり、感動しました。

 ひとりの人をじっくりと見つめ、その多面性を少しでも理解できる人間に、ぜひ成長したいものと思いました。

 

wrote by m-hamada : 2011年05月14日 21:06